溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
やっと報告会も終わり二次会に行くやつ、帰るやつ、店の外で解散となった。
すると、あの唯とか言うヤツがまたしてもやらかしてくれた。
『気持ち悪い』とトイレに連れて行こうとする李子の服に嘔吐物をぶちまけた。

マジか!

直ぐに李子は友達の田畑奈津に連れられトイレで洗ってきたみたいだが臭いが取れず顔色がどんどん悪くなってきた。俺のシャツを貸しその汚れた服を上だけでも脱ぐように言った。


「すみません、お借りします。」


またトイレに戻っている間にタクシーを三台呼び、そのうち一台に唯を乗せ帰らせた。
そして李子が戻って来ると気分が少しマシになったと言う李子を


「そっか、良かった。じゃあ行こうか。青依は奈津ちゃんよろしくね。」


と半ば強引にタクシーに乗せ自分の家に連れ帰った。

初めから狙っていたわけではない。

本当にシャワーを貸して、臭いの染みついた服を洗濯して気分が悪いのが落ち着けばいいと最初は思っていた。
でも、気が抜けたのか途中で李子が眠りだした。ソファーに座ったままでは体が痛くなるだろう。そう思いベッドに李子を寝かせる事にした。

俺も飲んでるからどうせ今日は送って行けない。
李子の横に添い寝をし髪を撫で、李子のかわいい寝顔を満喫しているとパチリと李子の目が開いた。


「へっ?えっ、私寝ちゃいました?今何時ですか?」


完全パニックな李子。そんな彼女すらとても愛らしい。


「李子、今彼氏いないよね?」

「じゃあさ、俺と付き合ってもいいよね?」


相変わらず状況を呑み込めていない彼女に俺がどれだけ李子の事を好きでいたか伝えた。


「ねっ、今日から李子は俺の彼女。いいでしょ?」


李子の返事も聞かず唇を塞いだ。
時々、李子から漏れる息がゾクゾクと俺を煽る。
彼女からは『YES』の返事しか聞き入れる気はない。
夢中で貪っていた唇を離すと李子の顔はトロけていた。


「ねっ、李子、『はい』って言って。」

「ねえ、李子。返事は?」

「・・・・はい。」


ついに李子を手に入れた。もう離す気はない。




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