溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
九月の四連休、私のバイトもあるし大輝も仕事があるので、まるっと四日間一緒にいるって事は出来なかった。でも最終の二日間だけは何とか休みを合わせる事ができた。
「大輝、早くない?」
車だと渋滞が凄そうなので今日は電車での移動。
連日、仕事の忙しい彼に渋滞の道を延々と運転させるのも避けたい。
今晩は大輝のマンションに泊る予定だけど、ちょくちょくお泊りをするので私のお泊りセット&二日分ほどの着替えは大輝の家に常備されているから荷物もなく身軽で電車でのデートでも全然OKなのだ。
「ちょっと早く来すぎたかな?」
「ちょっとじゃないよ。今、待ち合わせより二十分前だよ。何時からいたの?」
「ん?・・・行くか!」
あっ、はぐらかした。
そして手を繋ぎ歩き出したところで声をかけられた。
「李子!」
聞き覚えのある声、嫌な予感がして振り返れない。
「この前、電話で言っただろ?『週末会えない?』って。」
横に大輝がいるにも関わらず近づき話しかけてきた。
「私、断ったよね。」
「関根、悪いけど俺たち今から出かける予定なんだ。邪魔しないでくれる?」
大輝の声がものすごく冷たい。
私に対して向けられたものでは無いのは分かっていても、背中に汗が流れ落ちそうなくらいだ。
「李子ともう一度話がしたいんだ。あなたは何時でも李子と会えるでしょ?俺はこの連休が終わったら、また名古屋に帰らないといけない。時間が限られてるんです。」
いやいや話なんて無いから。時間があっても話なんてしないよ。
でも一くんってこんな執着心強かったか?
いや、どっちかと言うとドライだったよね。だから遠恋ムリ!ってスパッと別れたんだし。
「じゃあ、その少ない時間は別の事で有効利用すれば?どうせ先月、久しぶりに見かけて李子の良さがわかったから、よりを戻さないか?って感じの話でしょ?今頃になって何言ってんの?君が遠恋ムリって別れ切り出したんでしょ?半年も経ってもったいなくなった?李子いい女だったって分かった?まあどっちにしても李子と話はさせないし。今の李子の彼氏は俺で、俺はこの先も李子を手放す気無いから。諦めて帰れ!・・・李子、行こう。」
おー!私のモヤモヤを全部言ってくれたよ。
手を引かれ私はその場を去った。
歩き出した時にチラッと一くんの方を見ると茫然と立ち尽くす彼の姿が見えた。
そして取り残された彼の周りには現場を目撃した人たちがヒソヒソ話をしながら私たちと一くんをチラチラと見ていた。
改札を抜けホームまで来てやっと立ち止まった大輝は『はー』っと大きなため息を付いた。
「李子、あいつと連絡とってたの?」
「とってないよ!」
思わず大きな声が出てしまい慌てて口を塞いだ。周りの人も何事かとこっちを見てる。
「火曜日に知らない番号から電話がかかってきたの。就活の電話かもしれないから出たら彼だった。」
「あいつの番号知ってるでしょ?」
「知ってたが正しいかな。別れた日にアドレス消したから。番号も覚えてなかったし。」
「でっ、会おうって言われたの?」
電話が来た時に奈津と一緒にいたから相談して即、着信拒否に設定したから連絡がつかなくて私の家まで来るつもりであの駅にいたのかも知れないと言うと繋がったままの手にギュッっと力が込められた。
「そっか。・・・・今日はどうする?予定通り江の島行く?気分が乗らないなら止めてもいいよ?」
気分が乗らなくなったのは大輝の方ではないだろうか。
「大輝は?どうしたいの?」
「久しぶりのデートだから行きたいかな?向こうに行けば楽し事で嫌な気分も忘れられるでしょ?」
「大輝、早くない?」
車だと渋滞が凄そうなので今日は電車での移動。
連日、仕事の忙しい彼に渋滞の道を延々と運転させるのも避けたい。
今晩は大輝のマンションに泊る予定だけど、ちょくちょくお泊りをするので私のお泊りセット&二日分ほどの着替えは大輝の家に常備されているから荷物もなく身軽で電車でのデートでも全然OKなのだ。
「ちょっと早く来すぎたかな?」
「ちょっとじゃないよ。今、待ち合わせより二十分前だよ。何時からいたの?」
「ん?・・・行くか!」
あっ、はぐらかした。
そして手を繋ぎ歩き出したところで声をかけられた。
「李子!」
聞き覚えのある声、嫌な予感がして振り返れない。
「この前、電話で言っただろ?『週末会えない?』って。」
横に大輝がいるにも関わらず近づき話しかけてきた。
「私、断ったよね。」
「関根、悪いけど俺たち今から出かける予定なんだ。邪魔しないでくれる?」
大輝の声がものすごく冷たい。
私に対して向けられたものでは無いのは分かっていても、背中に汗が流れ落ちそうなくらいだ。
「李子ともう一度話がしたいんだ。あなたは何時でも李子と会えるでしょ?俺はこの連休が終わったら、また名古屋に帰らないといけない。時間が限られてるんです。」
いやいや話なんて無いから。時間があっても話なんてしないよ。
でも一くんってこんな執着心強かったか?
いや、どっちかと言うとドライだったよね。だから遠恋ムリ!ってスパッと別れたんだし。
「じゃあ、その少ない時間は別の事で有効利用すれば?どうせ先月、久しぶりに見かけて李子の良さがわかったから、よりを戻さないか?って感じの話でしょ?今頃になって何言ってんの?君が遠恋ムリって別れ切り出したんでしょ?半年も経ってもったいなくなった?李子いい女だったって分かった?まあどっちにしても李子と話はさせないし。今の李子の彼氏は俺で、俺はこの先も李子を手放す気無いから。諦めて帰れ!・・・李子、行こう。」
おー!私のモヤモヤを全部言ってくれたよ。
手を引かれ私はその場を去った。
歩き出した時にチラッと一くんの方を見ると茫然と立ち尽くす彼の姿が見えた。
そして取り残された彼の周りには現場を目撃した人たちがヒソヒソ話をしながら私たちと一くんをチラチラと見ていた。
改札を抜けホームまで来てやっと立ち止まった大輝は『はー』っと大きなため息を付いた。
「李子、あいつと連絡とってたの?」
「とってないよ!」
思わず大きな声が出てしまい慌てて口を塞いだ。周りの人も何事かとこっちを見てる。
「火曜日に知らない番号から電話がかかってきたの。就活の電話かもしれないから出たら彼だった。」
「あいつの番号知ってるでしょ?」
「知ってたが正しいかな。別れた日にアドレス消したから。番号も覚えてなかったし。」
「でっ、会おうって言われたの?」
電話が来た時に奈津と一緒にいたから相談して即、着信拒否に設定したから連絡がつかなくて私の家まで来るつもりであの駅にいたのかも知れないと言うと繋がったままの手にギュッっと力が込められた。
「そっか。・・・・今日はどうする?予定通り江の島行く?気分が乗らないなら止めてもいいよ?」
気分が乗らなくなったのは大輝の方ではないだろうか。
「大輝は?どうしたいの?」
「久しぶりのデートだから行きたいかな?向こうに行けば楽し事で嫌な気分も忘れられるでしょ?」