溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
約2時間の食事会も終わり店の外に出た。
気分の悪そうな唯を放っておけなくて手を貸したのが間違いだった。


「うっ、気持ちわる・・・。」


えっ、トイレ、トイレまで我慢して!


と言うのが早いか、嘔吐するのが早いかって感じで思いっきり私に向かってリーバースしてくれました。



マジか・・・。



これトイレで洗っても臭いすごそうだから電車では帰れないな。


唯は同学年の女子達に任せ私はトイレで流せる分は流してみたがどうだろう、やっぱり電車はムリか・・・。
でもタクシーもムリそうだな。


近くに服屋さん開いてないかな、この際ジャージでもいいや着替えてタクシーに乗れれば。そう思って居酒屋が入っていたビルを出てキョロキョロと見回してみるがない、レストランや飲み屋しかない。そうこうしている間に、そんなに飲んでない私も唯がぶちまけてくれた臭いで気持ち悪くなってきた。


「ちょっと李子、大丈夫!?顔色むっちゃ青くなってるけど。」

「ヤバいかも。臭いで・・・。どっか着替え売ってないかな。」


私の顔色の悪さに気づいた奈津がスマホで検索してくれるが『李子、ないよー。』と。
すると目の前にシャツが差し出された。目線を上げると、大輝先輩?


「これ、上着だけでも着替えておいで。スカートはそれほど被害無さそうだから、臭いもだいぶとマシになるんじゃないかな。」


自分が着ていたシャツを差し出してくれた大輝先輩、今回はありがたく拝借する事にした。
スカートとのバランスなんてどうでもいい、この濡れたTシャツを早く脱ぎたい。


「すみません、お借りします。」


頭を下げもう一度ビル内のトイレに戻った。


「Tシャツ脱いで1回濡れタオルで体も拭きな。」


一緒に付いて来てくれた奈津が手洗いでタオルを絞って個室にいる私に渡してくれた。下着になって濡れタオルで体を拭くと気持ち悪さが半減した。先輩に借りたシャツを羽織り第二ボタンまでしめた。


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