溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
ガチャ。

恐る恐るドアを開けた。
そこにいたのはやっぱりお隣さんの夫婦だった。


「すみません。お騒がせをして。」


そう私がお隣さんに謝辞をしていると私を突き飛ばし、おばさん達は家に入り込んで行った。


「いったー。」


勢いよく押され背中とお尻を強く打ち付けた。


「大輝も何を考えてるのかしら。真理さんって婚約者がいるのに。今回は不法侵入で警察呼ぶのはやめてあげる。さっさと帰りなさい!」


そう言いドアを閉めカギを閉められてしまった。

えっ!?なんで私が放り出されるの?婚約者ってなに?

突き飛ばされ倒れたまま、今聞いた言葉が理解できず動けずにいる私に隣の奥さんが心配そうに尋ねてくれる。


「大丈夫ですか?」

「はい。」


背中とお尻は痛いが何とか立ち上がった。


「警察に来てもらいますか?電話しましょうか?」


落ちているスマホを拾い時間を確認した。午後5時23分。


「ありがとうございます。六時ころには大輝も帰って来る予定なので下で帰って来るのを待って、話をしてからにします。一人ではちょっと怖いですし。それに母親だと言ってましたし。」

「そうですか。何かあったら言ってくださいね。」

「はい。ご迷惑をかけて本当にすみません。」


隣人さんと別れ私も部屋の前にいると、また出て来られても怖いから下に降りてエントランスの前で大輝を待つ事にした。

三十分経った。大輝からの連絡はまだない。

何だかお腹も痛くなってきた。スマホを持っているので電子マネーは使えるから体を休ませるために駅前のカフェへ行くことにした。


「いらっしゃいませー。」

「カフェラテ、ホットでお願いします。」


少し汗ばむくらいだが、さっきからずっとお腹が痛むので温かいものを頼んだ。





痛い、お腹の痛みがどんどん増してくる。



椅子に座っていられず床に倒れ込んだ。


「痛い・・・。大輝・・・。」


『大丈夫ですか!』『救急車呼!』遠くで何人もの人が声をかけてくれているが私の意識はどんどん落ちていく。



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