溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
それから三日ほど経ったある日、親父に呼ばれ実家に行った。
母さんの事で呼ばれたのかと思ったが、実家のリビングに親父とじいさん以外に内藤さんの姿があった。
『大輝君、連絡遅くなって悪かったね。』と言った内藤さんの表情は凄く穏やかなので、悪い話ではないはずだ。
そう思うがそれでも俺の背中には汗が流れ、背筋もピンと張るくらい緊張する。
『ナチュレ食品だがな』と親父があの日以降の動きを説明してくれた。
俺と親父が竹内さんに会いに行った後、竹内さんは奥さんと娘と三人で話をしたそうだ。
奥さんの方は事の重大さが分かって青ざめたまま竹内さんにずっと謝罪の言葉を言っていたらしいが、娘の方はうちの母親と同じく話にならなかったと。
だから病院に連れて行き今は田舎の療養施設に入っているのだとか。
母親は自分のせいで娘があんな風になってしまったと一緒に付いて行っているらしい。
そして親父とじいさんが最初にポツリと漏らしていたナチュレ食品とSANグループとの契約も解除になったらしい。
うちをもう身内のように言いまわっていた事など信用できない行動が多かった事と、商品についても目新しい物もないなどの事から契約解除になったと言う。
そして驚いたのが内藤さん、堤設計事務所に依頼のあったナチュレ食品の新社屋の計画も大口契約先のうちに解除された事での信用を失い先行き不安がある事、そして公私混同と言われかねないが李子の事で内藤さんが担当から外れたいと堤氏に申し出たことで依頼を受ける事を止めたと言う。
ナチュレ食品は今後すごく険しい道に入って行くことは否めない。
現社長の更迭は決定的だろう。
今はまだ一社員でしかないが、経営する側になる俺にとって今回はいろんな意味で勉強にもなったと親父と内藤さんの話を聞きながら考え込んでいると俺が待ちに待った言葉が聞こえてきた。
「大輝君、李子ちゃんがね、早く大輝君に会いたいらしい。僕はもっと家族水入らずの時間を過ごしたいんだけどね、君からのメッセージが来ると嬉しそうに画面を見てる姿を見るとね・・・。李子ちゃんを迎えに行ってくれるかな?」
嬉しすぎて『はい!』と大声で返事を返すと、内藤さんにも親父にも笑われてしまった。
直ぐに李子にこの事を伝えたくて、内藤さんに断りを入れ自室へ戻り電話をかけた。
「李子!内藤さんからやっとお許しが出たよ。明日、いや今からでも迎えに行く!また一緒に住んでくれる?」
「・・・・。グスン、・・・グスン。」
何の返事もなく暫く無言の状態が続いたが、耳に鼻をすする音が聞こえた。
「李子?」
「うん。・・・直ぐに迎えに来て・・・。」
「わかった。今実家だから一度車を取りに戻ってから迎えに行くから。準備だけして待ってて。」
そう言い電話を切ると、まだリビングで談笑している三人に『今から李子を迎えに行くから帰る』と伝え実家を後にした。
後ろから『えっ!今日?今から?大輝君!』と聞こえたが、もう待つつもりは無かったので聞こえないふりをして出てきた。
母さんの事で呼ばれたのかと思ったが、実家のリビングに親父とじいさん以外に内藤さんの姿があった。
『大輝君、連絡遅くなって悪かったね。』と言った内藤さんの表情は凄く穏やかなので、悪い話ではないはずだ。
そう思うがそれでも俺の背中には汗が流れ、背筋もピンと張るくらい緊張する。
『ナチュレ食品だがな』と親父があの日以降の動きを説明してくれた。
俺と親父が竹内さんに会いに行った後、竹内さんは奥さんと娘と三人で話をしたそうだ。
奥さんの方は事の重大さが分かって青ざめたまま竹内さんにずっと謝罪の言葉を言っていたらしいが、娘の方はうちの母親と同じく話にならなかったと。
だから病院に連れて行き今は田舎の療養施設に入っているのだとか。
母親は自分のせいで娘があんな風になってしまったと一緒に付いて行っているらしい。
そして親父とじいさんが最初にポツリと漏らしていたナチュレ食品とSANグループとの契約も解除になったらしい。
うちをもう身内のように言いまわっていた事など信用できない行動が多かった事と、商品についても目新しい物もないなどの事から契約解除になったと言う。
そして驚いたのが内藤さん、堤設計事務所に依頼のあったナチュレ食品の新社屋の計画も大口契約先のうちに解除された事での信用を失い先行き不安がある事、そして公私混同と言われかねないが李子の事で内藤さんが担当から外れたいと堤氏に申し出たことで依頼を受ける事を止めたと言う。
ナチュレ食品は今後すごく険しい道に入って行くことは否めない。
現社長の更迭は決定的だろう。
今はまだ一社員でしかないが、経営する側になる俺にとって今回はいろんな意味で勉強にもなったと親父と内藤さんの話を聞きながら考え込んでいると俺が待ちに待った言葉が聞こえてきた。
「大輝君、李子ちゃんがね、早く大輝君に会いたいらしい。僕はもっと家族水入らずの時間を過ごしたいんだけどね、君からのメッセージが来ると嬉しそうに画面を見てる姿を見るとね・・・。李子ちゃんを迎えに行ってくれるかな?」
嬉しすぎて『はい!』と大声で返事を返すと、内藤さんにも親父にも笑われてしまった。
直ぐに李子にこの事を伝えたくて、内藤さんに断りを入れ自室へ戻り電話をかけた。
「李子!内藤さんからやっとお許しが出たよ。明日、いや今からでも迎えに行く!また一緒に住んでくれる?」
「・・・・。グスン、・・・グスン。」
何の返事もなく暫く無言の状態が続いたが、耳に鼻をすする音が聞こえた。
「李子?」
「うん。・・・直ぐに迎えに来て・・・。」
「わかった。今実家だから一度車を取りに戻ってから迎えに行くから。準備だけして待ってて。」
そう言い電話を切ると、まだリビングで談笑している三人に『今から李子を迎えに行くから帰る』と伝え実家を後にした。
後ろから『えっ!今日?今から?大輝君!』と聞こえたが、もう待つつもりは無かったので聞こえないふりをして出てきた。