溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
病院で約束したとおり、お義母さんの一時退院期間に水子供養のお参りに行った。

そして一月三日にはお義母さんも参加の両家の顔合わせをもう一度行った。
今回は義兄さんと達也は不参加で。

お義母さんは母と顔を合わせた瞬間からずっと頭を下げっぱなしだった。
前もって私から詳しく話を聞いていた母と内藤さんは『もう頭を上げて下さい。』と何度も言っていた。
食事の時間が進むにつれ、お義母さんも緊張が解けてきたのか私や母とも笑顔で話をしている。

お義母さんは明日また病院へ戻る事になっている。







家に着き玄関に入るなり大輝が後ろから抱きしめてきた。


「李子、本当にありがとう。」

「ん?なにが?」

「母さんのこと。普通にムリって拒否されてもしょうがない程の事をしたのに、李子もお義母さんも内藤さんも受け入れてくれて、本当に嬉しかった。俺、本当は今日行くのムチャクチャ緊張しててさ、李子と母さんを病院で会わせた時よりずっと。」


『そっか。』と返事をしたが知ってた。
だって朝食ものどを通らないのか半分以上残してたし。

それに大輝だけじゃない、お店で会った時お義母さんはもちろんだけど、お義父さんもおじいさんも緊張してるのが伝わって来てた。



明日からの出社に向けて早めに就寝準備を終えベッドに入った。
そして私を抱きしめながらお義母さんの退院について話してくれた。

今回の一時退院の様子も含めて本退院の日取りを決めると言う。
精神不安定の原因だった私と大輝の結婚話にも取り乱すことなく適応できているので今月中には退院の許可が下りるのではないかとお義父さんが言っていたらしい。


「じゃあ、結婚式にも来てもらえるね。やっぱりみんな揃ってお祝いしてほしかったから嬉しい。」


「はー、なんで李子はそんなにいい子なんだ。」




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