溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
次に目が覚めたらフカフカのベッドの上。

そして隣には小さな子を寝かしつけるように大輝先輩が添い寝をして私の頭を撫でていた。


「へっ?えっ、私寝ちゃいました?今何時ですか?」


余りのありえない状況に完全パニックな私。
そんな私をよそに先輩は話かけてきた。


「李子、今彼氏いないよね?」


ん?いないけど?いなかったら何だ?


半分ほどしか働いていない脳をフル回転で次に先輩が何を言い出すのか考えてみた。

・・・、ダメだ何にも浮かばない。


「じゃあさ、俺と付き合ってもいいよね?」


『ふぇ?』驚き過ぎて思わず変な声で返してしまった。


「李子をね、3年前の新歓で初めて見た時から好きだったんだ。一目ぼれってやつ?まだ話したことも無かったから李子の性格も何もわからないのに、この子のこと好きだって思っちゃったんだよね。」


だよねって・・・。


「でも、先輩あの時って彼女いましたよね?」


「いたね。だから李子に近づきはしたけど告白はしなかったでしょ?」


確かに。

サークルに顔を出すと先輩がいつも話しかけてくれて、色々と大学生活でわからない事は教えてくれた。すごーく面倒見のいい先輩だなーって思ってたよ。


「だから彼女と別れてから気持ち伝えようと思ってたのに、なかなか彼女が別れてくれないし、その間に李子は関根と付き合い出しちゃうし。」


えーっ!


関根先輩と付き合ってたの公けにしてなかったのに何で先輩知ってんの!!


「様子を見てたら俺も告白されて『俺好きな子いるよ?』って言ったんだけど、『それでもいいです。』って言うから付き合ったんだよね。」

「はあー。」


先輩、何が言いたいの?先輩の恋愛遍歴を聞かされてるんだけど。


「春に関根と別れたでしょ?だから俺も別れた。ちゃんと最初っから『好きにはなれないよ』って伝えてたのに『嫌だ』ってごねられて別れるのにちょっと時間かかっちゃって。でもその間に李子が誰とも付き合いださなくて良かった。」


そう言うとチュッとオデコにキスをされた。
そこでやっと目を覚ました時のままベッドに2人で横たわってる事を思い出した。


「ねっ、今日から李子は俺の彼女。いいでしょ?」


先輩が体を起こしたかと思うと一気に組み敷かれてしまった。
上から熱を帯びた瞳で『いいでしょ?』と言われ返事を返す前に・・・。


「ん、んっ。・・・・せ・んっ。」


唇を奪われてしまった。
しかも初めから優しいキスではなく、いわゆるディープキス。


「ねっ、李子、『はい』って言って。」


キスの合間に私からのYesの返事だけを求める先輩。
ずっと離されない唇が元カレの時と違ってものすごく心地いい。
頭もボーッとなってきて思考を休止させていってしまう。


「ねえ、李子。返事は?」


「・・・・はい。」





< 7 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop