溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~

11.その後~ライバル編~

陽人ももう三歳になった。今は保育園に通っている。
私は正社員からパート社員へ変わったが編集社の仕事を続けているので朝は戦場だ。


「大輝ー、陽人の着替え見てー。」

「ママ、パパいなくてもはるくん大丈夫!」


いやいや、陽人くん大丈夫じゃないから。

君のズボン前後ろ反対だよ・・・。


「陽人―、ズボン逆だぞ。」

「あっ!」


大輝に間違いを指摘され悔しそうにズボンを履きなおす。

そしてエッヘン!

と自慢げにパパに見せている。


「おっ、凄いな!でもパパは一発で出来るぞ、ちゃんと。」


と大人げない大輝。

陽人が赤ちゃんの頃から、おっぱいを吸う我が子に『はー、そのおっぱいはパパのなのに』と恨めしそうに見てた。
うーん、誰のおっぱいかと聞かれるとそれは大輝さん、あなたのモノでも無いからね。

これは私、李子のモノだから。

そして陽人が成長するにつれてライバル心むき出しになってきた。

その理由は・・・。

陽人はお昼ママと離れているから家に帰るとべったりと甘えたになり寝るまで私から離れようとしない。

時短で十時~四時勤務にしてもらっていて五時にお迎えに行くので、べったり出来るのは家に帰って来て寝るまでの約四時間。

その時間に保育園での出来事をいっぱいお話ししてくれるから私は嬉しいのだけど、仕事から帰ってきた大輝が私といちゃつけないからだそうだ。

九時には陽人を寝かしつけるので『寝るまで三時間近くあるじゃない』と言ってみたが『三時間じゃ足りない。陽人が四時間で俺が三時間は不公平だ!』だそうだ。

結婚して約八年経つが未だに大輝の溺愛は続いている。
でもまあライバル心むき出しだけど育児は凄く積極的に手伝ってくれるし、陽人もパパの事は大好きなのだ。


「パパ―、日曜日のお約束覚えてる?」

「んー?公園か?覚えてるよ。ママに美味しお弁当作ってもらって行こうな。」

「うん!ママ!はるくんエビフライがいい!」

「じゃあ俺は唐揚げと卵焼きいっぱい!」

「パパだけ二つもずるい!じゃあ、ウインナーも!」


ほら仲がいい。

でも子供が二人って感じだ・・・。

うーん、もう一人家族が増えるって言ったらどんな反応するかなー。
陽人はたぶん大喜びだろう。
保育園で仲良しの友くん家に弟が産まれた話を聞いて『はるくんには赤ちゃんいないの?』って言ってたからなー。

大輝は・・・、やっぱり喜んでくれるかな?



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