溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
数日前に二人目の子を産んだ。二人目は女の子だった。

名前は陽菜。

陽人は私が入院中もずっといい子でぐずることも無く過ごしていると言う。
出産ギリギリまで私にべったりだったのに、面会に来ても保育園の話はしてくれるが顔はずっと陽菜の方を向いていて手をギュッとにぎらせたまま。

何だか片手間に話をされているみたいで淋しい。

変わりがないのは大輝だけ。

陽菜が母乳を飲んでる姿を見て陽人の時とおんなじ事を言っている。


「はあ、俺のおっぱい、また取られた・・・。」


いやいや、だから大輝さん?あなたのおっぱいじゃないから。

陽人の方がずっとお兄ちゃんじゃんよ!




退院して家に戻ると陽人のお兄ちゃんぶりは凄かった。
今までは起こしに行くまで寝てたのが、

六時半 起床 しかも自分で目覚ましで起きてくる!

七時  朝食 

七時半 登園準備・陽菜のおむつ替えとお着換えの準備

とテキパキと朝の支度を済ませるようになってるし。
そして八時になれば行ってきますのチュウを陽菜のほっぺにして元気にパパと登園していく。ママにはハグはしてくれるけどチュウはない。

淋しい・・・。

大輝はと言うと、陽人の私へのべったり度が百パーセントから三十パーセントくらいになり、私にくっついているよりも妹にくっついている方が多くなったのでご機嫌だ。


「陽人は急にしっかりしてきたし、陽菜は姫、いや天使だし、李子は取られないし、今は天国だ!」


今はこんなでも、陽菜が成長すると私よりも陽菜の事かまっちゃうのかなー。
中高生になったら『門限は五時!』とか言ってそうだな。
陽菜がパパとデートするなら、私は陽人とデートしようかな?


「なに考えてるの?」

「んー?陽菜が大きくなったら大輝と陽菜がデートしたりするのかなー?って。」

「うーん。陽菜とのデートも楽しそうだけど、デートをするならやっぱり李子とかな?だから李子も陽人とデートしちゃダメだよ。」


えっ?なんか私が思ってたのと違う・・・。

『もう一度、陽人にママはパパのだからって言っとかなきゃ。』と独りつぶやきながら、泣き出した陽菜の方へと向かった。

この溺愛はいつまで続く?永遠に?



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