母を想えば
第3話
第3話
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「ハルカ。もうお眠の時間でしょ~?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「ここで寝んねしたら、
風邪引くからお布団行こ?」
「・・・・おとうたん・・・・。」
「父たんは今日もお仕事で遅くなるから、
また朝に“おはよ”しよ?」
「おとうたん、“おやすみ”する・・。」
「・・・・・じゃあおいで。
母たんと一緒に待ってよっ。」
「・・うん・・・。」
時計の針はもうすぐ21時に差し掛かろうとしていた。
閉じようとする目を必死にこすって抵抗するハルカを腕の中へ呼んだすぐ後、
背中をさすっていたらすぐに寝息を唱え始めたので布団の中へ運ぶ。
「・・・・・・・・・。」
最近ちょっと・・
無理しすぎじゃないかな・・。
帰りは毎日22時過ぎ。
まともに休みも取れないみたいで、
日曜日だって家に居ない事の方が多い。
ハルカが1年、また1年と成長を重ねていくのと反比例して、
なんだか・・“父たん”に余裕が無くなっている気がする・・。