母を想えば


―――――― 


紙パックの自販機でバナナジュースを購入した真田さんが、

猿渡警部に渡すのかと思いきや自分で飲み始めたのは置いておいて、


さっきコーヒー飲んだばっかりなのに、

絶対この後お腹壊す展開が見え見えなのもあえてツッコまず、


とにかく捜査本部となった会議室に戻った俺達の前で、

猿渡警部が眉間にシワを寄せて腕を組む。


「いいか真田ぁ。

いつまでも“鉄槌者”を捕まえた功績に胡座かけると思うなよ?

あんなマグレで、所轄が県警を上回ったと思ったら大間違いだぞ!?」


「まぁそう目くじら立てんでくださいよ。

それに俺も小西も、自慢気にした事も胡座かいた事もないですから。」


「フンッそれで?俺に何の用だ?」


「杉内検事長ってどんな人でした?

俺達はほとんど“地方検察”の人としか関わらないから、

“高等検察”レベルとは会った事無いんですよ。」


「・・・・・・。」


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