母を想えば


―――――― 


「「「「えーーー!!?
トモちゃん辞めちゃうの!?」」」


「短い間でしたが、皆様と楽しくお話出来た事ずっと忘れません。」




「ちょ・・ママ~!」


「あらあら、言ったでしょ?

トモちゃんは期間限定で“お手伝い”として入ってもらったって。」



よ~~~~~やく終止符が打たれたハヤトの就職活動。


常連さん達のグラスへお酒を注いだ後、

店長のフォローもあって、なんとか“既婚者”“子持ち”だと最後までバレる事なく、

退職する日を迎えられた。


営業職というか、デスクワークを続けてきたハヤトにとっては全くの畑違いになるけど、

ハローワークだけに頼らず、

自分の足で見て回って、
その都度頼み込んだ成果の末、

この不景気の中、人情の厚い社長さんと巡り会うことが出来たみたいで・・





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「鉄工所・・?」


「俺みたいな戦力外通告者とか、

そういうワケアリ人間を雇ってくれるスゲー熱くて良い人なんだよ~!」


「え・・でもハヤトめちゃくちゃ不器用じゃん。現場作業員で大丈夫なの・・?」


「“経験問わず”って社長言ってくれたし、
そこは気合いと根性でなんとかする!」


「そっか・・うん、でも雇ってくれたんだから感謝だね。」

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