母を想えば


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『ンンッ、気をつけて下さいよ才谷君。

鏡に映った自分の姿に驚いてどうするんですか。』


『申し訳ございません。
まさか映るとは思わず・・。』


『たまに映るから私達のような者は死んでも尚、夏のテレビ番組に出演できるんですよ。』


『はい・・。』


『ンンッいやはや・・それにしても、あの2人には期待が持てるかもしれません。

セイズ署の皆さんもそうですが、

警察組織というのはビラミッドの下に行けば行くほど優秀な人材がいるようです。』


『・・・・・・・・。』


『このまま県警の思い通りに事が運べば、

あっけなく私の予想通りの結末を迎えると思いましたが・・

真田の登場でこの先の展開が変わるかもしれません。』


『あの寝ぐせ男が辿り着くのでしょうか?』


『ンンッ・・・ンンッ・・。

真田も勿論ですが、侮れないのが彼の隣にいる“もう一人の男”。』


『・・・・?』


『彼らは豊川刑事と星野君のような“師弟関係”では無いようです。

かと言って、階級の壁によって遠慮が発生する“上司部下”の関係でも無い。』


『・・・・・・・・・。』


『ンンッ、才谷君。

ひょっとしたら“1+1=2”の概念が崩れる所を見られるかもしれません。

真田といる事で生まれる相乗効果で、

この事件の核心に先に気付くのは、
彼のほうかもしれませんね。』


『・・・・・・・・。』


『彼らは良い関係ですね。

私も来世ではぜひ、静岡県警ごときに尻尾を掴まれた君ではなく、

優秀な相棒と手を組みたいものです。』


『申し訳ございません・・。』


『ンンッ、さぁ期待させてもらいますよ?

やるだけやって“分からない”では面白くありませんからねぇ・・真田刑事、小西刑事?』


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