母を想えば
――――――
「あれ・・・?」
「・・・・・・。」
角を曲がって見えた犯行現場。
そこにやたらと目立つスーツ軍団が居た。
「ボス猿もいる?」
「はい。なんか張り切ってますよ。」
今日の雨は降ってるか降ってないか微妙なぐらいの量。
路肩に車を停めた後、
傘も持たずに俺達もそこへと歩き出す。
「ウキキキ。なんだ真田小西?
少しは身のある捜査はできたのか?」
「まぁぼちぼちです。
猿渡さん達は何を?」
「ちょうど良かった。
小西を借りるぞ。」
猿渡警部に名指しされたので小走りでその隣に立つ。
「いいか。俺が満島トモコ役になるから、
お前は杉内さん役だ。」
あ、なるほど・・。
どうやら県警の皆さんは、
当時の状況を再現して、
どういう状況で2人が命を落としたのか、
その実況見分をするようだった。
「じゃあ小西。杉内殿の自宅方面のあっちに向かって歩いていけ。」
「はい。」