母を想えば
「やっぱり県警の皆さんは、
どうやっても“杉内検事長、被害者論”で進めたいみたいっすね。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・真田さん?どうしたんですか?」
両手ともポケットに手を突っ込んだ真田さんが、じっと斜め上を見上げる。
「固執しすぎるなとは言ったけど、まぁ良い機会だから俺らも“猿真似”してみるか。」
「・・・・?」
「じゃあ俺が満島さん役やるから、
小西は引き続き杉内検事長役ね。」
「あ、はい。」
真田さん流、実況見分が始ま・・・
「いいぞ小西。俺に殴りかかってきて。」
「え・・・・。」
「“杉内検事長が殺意を持ってた”パターン。
試したいだろ?」
「ですね。分かりました。」
言われたとおり、相対した状態で真田さんへ殴るフリをする。