母を想えば
“ガチャリ”
「ただいま~。」
「おかえりなさい。」
「・・・・・・・・・・・。」
「あぁ~疲れ・・・・
お!トンカツ美味そー!」
「はいはい。お父さんの分も揚げとくからさっさとお風呂入ってきて。」
「おーう。」
「お母さんご馳走様。」
「え・・もう食べたの?」
「うん。じゃあ宿題してくる。」
「あ~~サッパリした。
・・・あれ?ハルカは・・?」
「牛丼屋にいるサラリーマンみたいに、超ダッシュでかき込んで自分の部屋行ったよ。」
「・・・・そうか・・・。」
「ほらほら落ち込まないのっ。
はい、今日もお仕事お疲れ様でした。」
「最近なんか・・“おはよう”しか会話してない気がする・・・。」
「アハハハ!
14歳の女の子ってそんなもんだよ?」
「トモコもそうだったのか?」
「まぁね~。」
「いつまで続いた?」
「忘れちゃったよそんな事。
でも一生は続かないから大丈夫。」
「あぁ~~~じれったいなぁ・・。
どうしよう・・このまま一生“おはようおじさん”になったら・・。」
「2秒前に私が言ったセリフ聞いてなかった?」
「トンカツの油が染みるぜ・・。」
「大げさだなぁ。
もしハルカに彼氏出来ても倒れないでよ。」
「え!?男がいるのか!!?」
「うん次、私の台詞ガン無視したら油ぶっかけるからね。」