母を想えば
「あ、そうだトモコ。
ちょっとお願いがあるんだけど・・。」
「うん?」
「悪いんだけど、弁当のおにぎり明日からもう2個増やしてくれないかなぁ?」
「・・?別にいいけど、どうしたの?
35過ぎて第二次食べ盛り?」
「最近俺の組に配属された新人がいるんだけど、金無いらしくて、
毎日パンの耳しか食べないんだよぉ。
仕事中に倒れられたら困るし、
やっぱサブリーダーとして気に掛けないわけにはいかないしさ。」
「へ~~。若い子?」
「いや、俺らの1個下。
なんか色々と職を転々としてて、
苦労してるみたいなんだよぉ。
話せば結構面白い奴でさ、
なんか余計にほっとけなくて。」
「ウチらも苦労した身だし・・
うん、困った時はお互い様だね。
昆布とおかかでいいかな?」
「ありがと!助かるよ。」