母を想えば
第7話
第7話
********************************************
ムコウジマ署 玄関前。
真田さんと2人並んで、
その人物の到着を待つ。
「わざわざ静岡からご苦労なこったな。」
「まぁ会いに来てくれるだけでもいいんじゃないですか?
いつからか知らないけど、
絶縁状態だったそうなので。」
今日は大雨とまではいかないけど、
傘は必要な雨降り模様。
事前に聞いていた時間に差し掛かると、
一台のタクシーが敷地内に入ってきた。
「「・・・・・・・・。」」
タクシーから降りて傘をさしながらこちらへ歩いてくる女性。
写真で見たとおりだったからわざわざ確認するまでもないけど・・
「満島ハルカさんですか?」
「はい。」
「ムコウジマ署の小西です。
ご足労ありがとうございます。」
「・・・・・・・・。」
「どうぞ中へ。」
満島さんを伴って“遺体安置所”まで向かう。
チラッとだけスケベ刑事のリアクションを伺うと、言うまでもなく、絵に描いたように、
ビヨ~ンと鼻の下が伸びていた。