母を想えば
第2章
第2章
“ジットリ”
そんな視線だった。
再び規制線の中に入って、
一歩ずつ才谷の元へと進んでいく。
セイズ署刑事課に来て、様々な被害者・・死者と対面してきたけど・・・
「・・・・・・・・・・・・。」
突如として命を奪われ、
自分自身の遺体を前にして・・
戸惑い、困惑、怒り、哀しみの感情を出す死者がほとんどだった。
「・・・・・・・・・・・・。」
だから・・“ニヤニヤ”と笑みを浮かべながら僕達に視線を送ってくる才谷に、
どこか不気味さを覚えてしまう・・。
「セイズ署刑事課の豊川です。」
「同じく星野です。」
『・・プヒッお前・・
プフッ覚えてるぞ・・。
ウヒッあの時の所轄の刑事だな?』
「あ~人違いじゃないですか?」
『ウヒャッ!いいや間違いない。
その猫背、その覇気の無さ、
プヒッお前・・
死んだ人間が視えるのか?』
「あ~私あなた大嫌いなので、
さっさと本題に入ってもいいですか?」
『ウヒャヒャヒャ!
俺はちゃんと20年ドブ飯食ってお務めしてきたんだウヒッ。
プヒップヒッ善良な市民にはもうちょっと優しく接してくれよ。』
「あ~それで?
誰に殺されたんですか?」
『・・・・・・・・・・・・・・。』