母を想えば
滞在時間5分弱。
言うまでもなく今まで一番早く、
遺体と遺族の対面が終わる。
ハルカさんにとっては想定内だったのか、
来た時のタクシーを待たせていたみたいで、
再び同じタクシーに乗って、新幹線に乗る名古屋駅へと向かっていった。
「全ての子供が、
お母さんの事が好きだとは限らない。
全てのお母さんが、
子供の事が一番だとは限らない。
・・・って所ですかね。」
その車を見送った後、今日も相変わらずヨレヨレ+ピン立ち寝ぐせを見る。
「・・・・・・・・・・・・・。」
「でも・・自分を捨てた相手とはいえ、
なかなか予想以上の対応でしたね。」
「小西君よ・・・・。」
「はい。」
「あの子・・・・・・・・。」
「・・・?」
「怒った顔も可愛いな。」
ズルッと転びそうになるのを我慢して、
俺達も部屋へと戻った。