母を想えば
「ただいま・・・。」
「おかえりなさい。ニュース見た!?」
「・・・灰原か・・。」
「もう怖すぎて放心状態だよ・・!
こんな身近すぎる所に殺人犯がい・・・。」
「悪い。風呂入ってくる。」
「あ・・・うん。」
「トモコごめん。
ちょっと前に、警察がウチの会社に来て、
灰原のこと調べてたんだ。
捜査してる事は家族にも絶対言うなって口止めされてたから、
灰原が疑われてたっていうのは前から知ってたんだ。」
「もしかして最近ずっと悩んでたのってそれ・・?」
「ごめんな言い出せなくて。」
お風呂場へと向かったハヤトの後ろ姿から、“憔悴”を感じ取った。
日付が越える時間まで一緒に飲み明かすほどの仲だったから、
よっぽど・・新人君のこと気に掛けて、
親しかったのかな・・?