母を想えば
――――――
「ただいま・・ってあれ?
・・・クンクン。」
「おかえり~。」
「良い匂い・・って!!
すき焼き!!?なんで!?」
「うん~?」
「なんでなんで!?
大晦日はまだずっと先だよ!?」
「ウチの大黒柱からリクエストが入ったからね~。」
「やったー!たまには良い所あるじゃん!」
「ハルカ。今日だけはお父さん待ってよ?」
「え・・・・。」
「奮発して飛騨牛買っちゃったから、
これを買うお金を稼いでくれた人の前で、
ちゃんと“いただきます”しなきゃね?」
「・・・・・・・うん・・分かった。」
「アハハ!じゃあお風呂入ってきて。今日はお父さんも定時で帰ってくると思うから。」
“プルルルルル プルルルルル”
「「・・・?」」
“プルルルルル プルルルルル”
「あ、ごめんハルカ。
ちょっと味見で忙しいから出てくれる?」
「え~つまみ食いズルい~!
・・・・・・はい、満島です。」