母を想えば


「満島トモコさんとは親しかったかな?」


「あ・・トモさんですか・・。やっぱりこれも捜査の一環なんですよね・・?」


「まぁ俺以外のあの2人はすっかり愉しんでるようだけどね。」


「トモさん・・すごく良い人でした・・。

あんまりお喋りな人じゃなかったんですけど、でも着付けを教えてくれたり、

私おっちょこちょいだから、よくママに接客のことで叱られてたんですけど、

そっと励ましてくれて・・

だから・・今回の事はすっごくショックです・・。」


「ここ最近の満島さんなんだけど、あっちの席で杉内検事長の接待してたのかな?」


「あ、はい。
杉内様がお一人で来店された時は、

決まっていつもトモさんをお側に置いてあちらの二人席に・・。」


「どういう話をしてたかって知らないかなぁ?」


「さぁ・・そこまでは分からないです・・・。」


「そっか・・。」


「あ!!でも、トモさんもすっごく嬉しそうでしたよ。」


「嬉しそうって・・
杉内検事長に贔屓にされて?」


「だと思います。トモさんってあんまり独り言とかも漏らさない静かな人だったけど、

杉内様が東京の検事さんとの接待で来店された時、

トモさんと私がお側についたんですけど、【やっと見つけた】って震えた声でボソッと。」


「・・・・・・・・・・・・。」




そうか・・・この子はそれを“嬉しそう”と捉えたのか。


俺には全く別の意味に聞こえる。

ここまでの捜査。
真田さんが示唆した可能性。

真田さんが言ってくれた言葉・・・。


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