母を想えば
猿渡警部がド派手にズッコけたところで、真田さんがキャストの皆さんを席から外させた。
それと同時に、今まで女の子達が取り囲んでいた猿渡警部の隣に腰掛ける。
「な、なんだ小西!?」
「真田さんも聞いてくれますか?」
「なんか閃いたか?」
「真田さん初日に言ってくれましたよね?この事件は“情報の取捨選択”が鍵を握るって。
満島さんと杉内検事長の不倫に関してなんかまさにそれです。
そんな証拠が無い以上、
二人を繋ぐのは“色恋”なんかじゃない。
もっと前・・【それ以前】に二人を結びつけるものがあったんじゃないですか?」
「・・・・・・・・。」
「こ・・小西、もっと分かりやすく言え!」
「満島さんには何かの目的があって、
その先に杉内検事長という人物がいた。
満島さんは杉内検事長をずっと探していたんじゃないんですか?
と言うより、正体が掴めないまま情報を探って探って探って、
この地で、ついに杉内さんにたどり着いた。
なんで探してたのか、
何の目的があって探していたのか・・
そこに今回の事件の核心が隠されてる気がします。」
「だ・・だからそれが一体・・!?」
「小西君よ。お前はどう考える?」