母を想えば


“まずはこの目で見てみよう”

早苗さんから送られてきた情報をもとに、ハヤトさんがその身を投げた崖へと向かう。






「この辺りですね・・。」


着いて分かったけど、崖と言うよりガードレールの無いちょっとした丘というか・・


周りに人気や建物が全く無い、

深夜になったらお盛んなカップルが車内でイチャイチャするスポットにはもってこいの、

主要道路から外れた高所だった。



「ハヤトさんが住んでたのってセイズ市だったっけ?」


「そうですね・・。働いてた鉄工所も同じセイズ市内です。」


「なんでこんな縁もゆかりも無さそうな場所を死に場所に選んだんだ・・?」


「この近くに彼にとって何か意味を持つものがあった・・って事ですかね。」





「・・もしもし早苗?

当時、検分を担当した所轄にお邪魔して話聞きたいんだけど管轄ってどこになる?

この辺だったら静岡中央署か?」


<ちょっと待って・・あれ・・?>


「どうした?」


<・・・いや・・・この事案は【静岡県警】が担当したっぽい。>


「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

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