母を想えば
電話越しの早苗さん。
静岡に来ても相変わらずヨレピンの格好で両手突っ込む真田さん。そして俺。
3人の頭上に「?」が浮かぶ。
不謹慎な言い方でハヤトさんには悪いけど・・
百歩譲って殺人事件だったらまだ分かるけど・・
なんで中央署っていう立派な所轄があるのに、
そこを差し置いてこんな自殺案件に県警が乗り出したんだ・・?
中央署に向かおうとしていたレンタカーのハンドルとアクセルの方向を少しだけ変える。
「やっぱサルをこっちに付けておいて良かったな。」
「ですね・・。
確か名前は“板尾”警部です。」
「直接聞いてみるか。
俺達の勘が正しければ・・・。」
「満島ハヤト、トモコ、ハルカ。
平穏に暮らしていたはずの満島家の皆さんのストーリーの中に・・
必ずどこかで杉内検事が絡んでくる・・!」
ハヤトさんが自殺を図ったこの場所。
セイズ市に生活拠点を置いていた彼にとって、静岡市には自宅も職場も無い。
ただ、ここには・・この近くには・・
当時杉内さんが勤めていた、
【静岡地方検察】があった・・・。