母を想えば
「そう考えると引っ掛かるのは、なんで板尾警部は当時そこを疑問に思わなかったか?
これだけでも“不審な点”じゃない?」
「だけど板尾警部は・・
どうやってでも“不審な点は無かった”で終わらせる必要があった・・。」
「・・犯人は誰だろうな。
強引に所轄から捜査の指揮権を横取りして、
テキトーに捜査を終わらせるほど、
県警が忖度したくなるような人物だったんだろうな。」
ますます疑惑が確信に変わっていく。
全ての始まりがここであった事・・。
トモコさんがこの20年後、
ムコウジマで行動に出た動機・・。
相討ちになってでも、自らの命を賭けてでも、果たしたかった相手・・・。
「小西君よ。
あとは仲間からの連絡を信じようか。」
「ですね・・・。」
「俺達の強い味方・・。」
「・・・・・早苗さん。」
「長さん・・・。」
「「・・・・サル。」」
1本でもダメ。2本でもダメ。
真田さんが仕掛けた3本の針。
それら全てが引っ掛かった時、
この事件は決着の時を迎える・・・。
第9話 完