母を想えば
「あなたやナルミさんは・・ハヤトに一生の恩義を感じてくれますか・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・どういう・・事ですか・・?」
「今日はお金を持ってきました。今日までハルカがお世話になったお礼です。」
「・・・・・・・・。」
「これからもお金は送り続けます。
ハルカの生活費に充ててください。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「私の事は絶対にハルカに言わないでください。
それが、あの事件の真実をあなたにも教える条件です。
“母親のせいで父親が自殺した”
私への憎しみがあの子の生きる力に・・
小さい頃からの夢を叶える為の原動力に変わってるんなら・・私は一生・・悪でいい。
ハヤトや私にとっては・・
ハルカが正義なんだから・・・。」
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<間違いないのぉ。【右手】じゃ。>
「よっし!」
「さっすが長さん!!」
<ちょっと待てよい。
これが何の証明になるんじゃ?
この事件の関係者は全員右利き。
当たり前の結果じゃないか?>
「これで良いんですよ。
杉内検事長が左利きだったらまた話が変わってきちゃう所だったけど、
“右利きの人間が右手で刺した”。
この事実が欲しかったんです。」
<おいおい・・もうちょっと分かりやすく話さんかい。>
「土砂降りで洗い流されてさえなければ、
もっと長さんの活躍所は増えてたはずなんですけどね。」
「まぁ天気ばっかりはしょうがない。
向こうの運が良くて、
俺達の運が悪かったって所だな。」
「でも真田さん。現場には残ってなくても、
現場じゃ無い所には残ってるかもしれませんよ?」
「“テイクアウト”か・・・。
可能性は低いかもしれないけど使ってみるか。」
「残るは猿渡警部の連絡ですね・・。」
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