母を想えば
「ハァハァ・・ハァハァ・・。」
『お前が・・・・まさか・・・
・・・・満島の・・・・・。』
「よくもハヤトを・・・・!
よくも・・よくもウチの人を!!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・うぉあああああああ!!!』
「!?」
・・・・・え・・・・・・?
雨音にも負けない断末魔のような叫びが鼓膜を捉えた瞬間・・
頬に雷のような衝撃が走った・・・。
「・・ッ・・・・!」
『・・ハッ・・・ハッ・・ハハハハ!
そうか・・どうやら大馬鹿者のクズの女房は、それ以上の大馬鹿者だったようだな!?』
「!!?」
なんで・・・まだ立ってるの・・?
なんで・・・・!?
『だがお前は二つミスを犯した。
俺に辿り着くまで時間が掛かりすぎたようだな?
あと10年老いてなかったらもっと奥まで突き刺せたのに、
自分の非力さを計算にいれてなかったようだな満島トモコ!!?』
「ッッッ・・・!!」
ボヤけた視界で・・・
ゆっくりと包丁をお腹から抜いて、
道ばたに放り投げた杉内の姿を捉える。
『もう一つ・・俺は最近メタボ予備軍なんだよこのアマぁ!!』