母を想えば
後編
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『最初の威勢はどうした?
最期は睨みつけるだけか?』
「・・・・・・・・・。」
『・・満島ハヤト・・トモコ・・。』
「・・・・・。」
『お前達の負けだ・・・!』
・・・ハヤト・・・・ごめン・・・・・
“お母さん!!!!”
「・・・・・・・え・・・・?」
『!!!!!?』
アスファルトに打ちつけられる豪雨の中、
走馬灯と錯覚したその“声”は・・
確かに聞こえた。
『・・ガッ・・・ハッ・・・』
「・・フー・・!!・・・フ-・・!!!!!」
・・・・・どうして・・・・?
『・・・・誰だ・・おま・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・満島ハルカ・・・!!」
ゆっくりと胸ぐらが解放される。
“バシャッ!”と大きな飛沫音と共に、
杉内の巨体がアスファルトへと倒れ込む。
「・・・・ハルカ・・・・。」
その背後に立っていたのは・・
雨でも流しきれないべっとりとした血のついた包丁を握りしめたまま固まっていたのは、
この場に居るのが絶対にありえない存在だった・・。