母を想えば


「お母さん!!!」


「・・・・・・・・・。」


「ひどい傷・・!
お母さん返事して!!」


「ハルカ・・・・なんで・・・?」


「・・吉田さんから全部聞いた・・!

お父さんの事も・・この男の事も・・吉田さんから全部教えてもらったんだよ・・!」


「・・・・・・・・・・・。」


「でも・・スッ・・ごめん・・
ずっと受け入れられなかった・・。

最初は全然信じられなかった・・。


“会いに行ってくれ”って・・・
“トモコさんを止めてくれ”って・・

吉田さんは・・“復讐で犯罪者になっちゃいけない”って・・


でもそれよりも・・お母さんが・・
お母さんが私の為に悪者になって・・

私の為にずっとお金を送り続けてくれた事が・・全然信じられなくて・・・!」


「・・ごめんねハルカ・・・
ずっと・・一人にさせて・・・

ずっと・・あなたを傷つけたままで・・。」


「・・スッ・・スッ・・・・・
今日は早上がりだったから・・
明日は休みだから・・

今日こそ勇気出して会いに行こうって・・

でも吉田さんから教えてもらった住所に行ったら、

ちょうどお母さんが怖い顔して飛び出していったところで・・。」


「・・見られちゃったんだね・・
尾けられちゃったんだね・・・。」


「この雨だったから途中で見失っちゃって・・でも凄い怒鳴り声が聞こえてきたから・・。」


「ごめんね・・・いつも私のせいで・・
ハルカにばっかり・・迷惑かけ・・。」


「迷惑なんかじゃない!!

お母さんはずっと・・
私のせいで・・私の為に・・!」



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