母を想えば
・・・あの時は・・・・
抱きしめてあげる事が出来なかった。
ハヤトの遺体を目の当たりにして・・
泣きじゃくる娘をしっかりと受け止めて、
抱きしめられなかった・・。
だから今度は・・・・
「・・ハルカ・・・・。」
「・・スッ・・ヒック・・ァアアァア・・
おがあざん・・おがあざん・・!!」
「・・包丁を貸して・・・。」
「・・・・何するの・・?
ねぇ・・おがあざん!?」
「いいハルカ・・?この男は私が殺した。だからハルカは今すぐここから逃げて・・。」
「イヤだよ!!
だったらお母さんも一緒に・・!!」
「もし・・お母さんの事を許してくれるんなら・・ハルカは警察に捕まっちゃダメ・・。
お母さんの事を想ってくれるなら・・
“ハルカだけは絶対に巻き込みたくない”
お母さんの気持ち・・
汲んでほしいな・・?」
「・・スッ・・スッ・・ヒック・・。」
「そうだ・・!
警察に呼び出されて私と対面する事になったら・・思いっきり唾を吐きかけて・・!
私とあなたは絶交の仲・・・。
吉田さんの話も・・今日ここに来た事も絶対に言っちゃダメ・・。」
「アアァア・・おがあざん・・
・・・アアァア!!」
「最期に・・会えて嬉しかった・・。
来てくれてありがとうねハルカ・・。
だから逃げて・・。
だから・・笑って・・?」