母を想えば


「だから、カマを掛けました。

あの時、私から【遺体をどうするか?】
って確認しましたよね?

その直前までトモコさんへの恨み辛みを吐き出していたくせに、君は即答できなかった。

憎き相手なんだから、
絶縁してる相手なんだから、

普通は引き取らない。
“無縁仏”にするのが普通です。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「でも君はその選択肢を選ばなかった。

その時点で私の中でほぼ確信しました。きっとこの母娘は和解してたんだろうなって。

君に出来る最後のお母さん孝行は、

【お父さんと同じお墓に入れてあげる事】
と考えてるんだろうなって。」


「凄いですね・・刑事さんって・・。

あの会話だけで・・
全部読み取られてたなんて・・。」


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