母を想えば


―――――― 


「お待たせし・・・!?」


「・・・ご無沙汰してます。」


「あなたは確か・・・。」


「あの時の所轄の刑事です。
改めまして豊川と申します。」

「同じく、星野です。」


「警察の方が来たと聞いたので、
誰かと思ったら・・・。」



再び訪れた夜の店内。

スタッフの人達はほとんど帰宅したようで、

女性のスタッフが1人残って後片付けをしている様子だった。


待合のソファで腰掛けた僕達の対面に座る、吉田ツヨシさん。


美容院のオーナーだけあって、同年代の人達と比べてその白髪も口元に蓄えた髭も、

どこかオシャレで、
ダンディな出で立ち・・


「それで・・ご用件はなんですか?」


そして何より・・HOT PEPPERに載っていた写真の通り、

物腰柔らかい雰囲気を醸し出している、“お父さん”という言葉が良く似合う男性だった。


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