母を想えば


・・・!?

豊川さんが・・一瞬僕を見て、“聞いてください”と合図を送ってくる・・。


・才谷の手紙を読んでいない
・遺族同士の交流もここ数年は皆無

そんな流れで・・
この質問をぶっ込んでいいのか・・?



「吉田さん。」


「はい。」


「失礼ですが、昨夜の0時~2時の間、
どこにいましたか?」


「・・・・・・・それは、
どういう意味の質問ですか?」


「申し訳ございませんが、関係者の皆さん全員に聞いている形式的な質問です。

教えて頂けませんか?」


僕のぶっ込みに下手に取り乱すことなく、“そうですか”と小さく漏らす。

やはり年の功を重ねているだけあって、冷静に受け止めてくれたみたいだ・・。



「その時間ならきっと寝ていました。

何時に寝たか正確には覚えていませんが、布団の中に入っていたのは間違いありません。」


「一応更に聞きますが、
それを証明できる人はいますか?」


「いえ、いませ・・・。」






「私が証明しますよ。」


「「・・・・??」」


え・・・・・?


待合のソファで話を続けている中・・

接客場の方で後片付けをしていた女性が近づいてくる・・??


なんだか・・事情聴取中に全然知らない女性が割り込んでくるこの展開・・

前にもどこかで遭遇した気がする・・。


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