母を想えば
「そうか・・。もしその認識下で“誰かに殺された”と聞かされたなら、
頭の中で、
“どういう事?
なんであいつがシャバに出てるの?”
とクエスチョンが浮かんでもおかしくないですよね・・。」
「ですが、何故かそこは普通にスルーをした。
“才谷の出所の事実を知っていた”なら辻褄が合います。」
「・・・・・・・。」
「では、どうやって知ったのか?
手紙を読んだのか、
別の手段で知ったか、
・・あくまで私の勘ですが、吉田さんの性格を考えると後者だと考えています。
彼は本当に封を切らずにシュレッダーしたはずです。」
「という事は・・・・?」
「恐らく、【遺族の誰かから聞いた】
遺族会 会長の彼の元へ、
才谷の手紙を読んでしまい、
感情の抑えが効かなくなった誰かが相談しに行ったのかもしれません。」
「・・・・なるほど・・。」
「もしそうであれば、
私達の聴取にわざわざ嘘をついた吉田さんの疑惑は深まり、
“アリバイがあやふや”が加われば、余計に強くなります。」