母を想えば
第4章
第4章
“ガチャリ”
「あ・・・・・。」
「・・・・・なんだ星野。
まだ帰ってなかったのか?」
捜査本部となっていた署の大会議室。
扉を開けると・・
椅子ではなく机の上に座って・・
豊川さんほどではないけど、
関本主任が猫背になって独りホワイトボードを眺めていた。
「“遺族F”の吉田さんですが、
黒に近いグレーでした。」
「そうか・・・。」
「他の人達はどうでしたか?」
「A、C、Dはもうこの街にはいない。
裏が取れたアリバイから逆算すると、移動距離的に犯行は不可能だろうな・・。」
「・・・・・・。」
「Bは老人ホーム。
Eは入院病棟。
それぞれの職員、
スタッフから裏取りが出来た。
もし遺族の犯行なら、
それが出来るのは吉田さんしかいない。」
「そうですか・・・。」