母を想えば

「関本主任、１つ聞いてもいいですか？」


「なんだ？」


「豊川さんから教えてもらった２０年前の灰原，才谷の犯行の中で、

引っ掛かった事があって・・。」


「おぉ。」


「当時、才谷の逮捕までこぎつけた後に、

豊川さんが被害者の訴えを聞いて、黒幕だった灰原の存在を暴いたんですよね・・？」


「そうだ。俺はまだその時はテツさんの力を知らなかったから、

何が何だかよく分かんなかったけど、梅田係長と一緒に必死に県警へ直訴したよ。」


「それで県警の人達も含めて捜査員全員・・疑惑が確信へと近づいていく中、

灰原の関与はどうしても決定打が掴めず、諦めかけた時に・・。」


「確か名前は杉内さんだったかなぁ。

検察の人が、執念の捜査で証人と証拠を見つけ出した。」


「その証人の方が引っ掛かって・・。」


「・・・？」