母を想えば
「なぁ星野。」
「はい。」
「私情は挟みたくない。それは刑事が絶対にやっちゃいけない事だからな・・。」
「・・・・・・・・・。」
「だけど俺もテツさんと気持ちは同じだ。
証拠が揃って逮捕状が請求できるようになっても、できるなら“自首”を待ちたい・・。」
「・・・きっと、ひっくり返る事は無いと思いますが明日、同居人の女性に・・
吉田さんは本当に家にいたのか、
本当に犯行時間帯に布団の中で眠っていたのか、それをちゃんと見たのか・・
確認してきます。」
「もし曖昧な受け答えでも、
その子の事はあんまり責めるなよ。
吉田さんとの関係性はよく分からんが、
お世話になってる人が警察に疑われてたら、
助けたいと思うのが人情ってもんだ。」
「了解です・・。」