母を想えば
――――――
“カラン カラン”
「・・?こんばんは~!
いらっしゃいま・・・・って!?」
「こんばんは。」
「・・・・ご予約は?」
「してません。」
「じゃあお引き取りください。
今日はもう営業終わってますので。」
すっかり僕は悪者か・・。
昨日と同じく、閉店時間を狙って美容サロン“MAHO”を訪れると、
昨日と同じく、
満島さんが店内に一人残っていた。
「吉田さんなら出掛けてますけど?」
「今日はあなたに話を聞きに来ました。」
「・・・・・・・・・・。」
「昨日伺った吉田さんのアリバイについて、
もう一度お話・・・。」
「お名前なんでしたっけ?」
「星野です。」
「刑事さんって、髪切るヒマも無いぐらい忙しいんですか?」
「え・・・・。」
「昨日のお連れの人も星野さんも、
ボッサボサですね。」
「あ・・まぁ今度時間が出来たら1000円・・。」
「私がカットしてあげますよ。」
「え・・!?」
「じゃあシャンプー台へどうぞ~♪」