母を想えば
「満島さん。
あなたの気持ちはよく分かりました。
吉田さんに恩義を感じるのは当然です。
・・・でも・・・・
正直に教えて頂けませんか・・?」
「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」
「一昨日の0時~2時の間、
吉田さんの姿を見ましたか・・?
翌日も営業がある深夜帯、
あなたは眠らずに起きてたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「吉田さんがちゃんと布団の中に入って寝ていたと・・自信を持って証言できますか?」
「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・1回流しますね・・・。」
鏡に映る自分は、自分で言うのも何だけど若返っていた。
いつもの雑な伐採ではなく、☆5のトップスタイリストが仕上げた短髪のおかげで、
実年齢と見た目が=になったかもしれない。
「「・・・・・・・・・・。」」
僕の背後に立つ満島さんと・・
鏡越しに目を合わせる。
僕の問いかけに無言のまま・・
鏡の中で涙を浮かべるその顔と目を合わせて・・・
あやふやだった吉田さんのアリバイ有無が、今この瞬間に確定した。
第4章 完