君と過ごしたあの日々が1番幸せでした。
「愛莉!!いつまで寝てるの、いい加減起きないと遅刻するわよ!」
「…わかってるけど、寒いんだよー…」
「もう朝陽くん来てるけど、いいの?」
「………えええええええええ!?!?それを早く言ってよー!!」
「全く…外寒かったからリビングにあげといたわよ」
山下愛莉。高校二年生の17歳。ただいまお母さんに起こされてベッドから飛び起きて急いで準備をしているところ。
「うわぁん!なんで今日に限って寝ぐせまとまんないの~!」
「愛莉、そろそろ出られ…なさそうだね」
私の悲鳴を聞いてリビングから朝陽が顔を出した。
「ごめんね、朝陽…もう先行ってて?遅れちゃ…朝陽?」
リビングからこちらに来た朝陽は私の手からアイロンを取って髪に通し始めた。
「朝陽…?」
「俺がやったほうが早い……ほら、できた。走ればギリギリ間に合うと思うから早く行くぞ」
「ありがと!朝陽」
朝陽は私の手を取って家を飛び出した。
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「ま、間に合った~…」
「おはよう愛莉。朝から二人で遅刻ギリギリで登校なんて……相変わらずラブラブだね~」
「や、やめてよ菜々」
「冗談よ。ま、ラブラブなのは本当だと思うけど。どうせ愛莉が寝坊して佐久間まで一緒に遅れただけでしょ?」
「だ、大正解です。さすが菜々」
「だって愛莉、朝弱いし、佐久間は愛莉