穢れ払い
「両親に迎えを頼んだ方がいいんじゃないか? そんなんじゃ、1人で帰れないだろ?」


そう言っても、ユマは言うことを聞かずに1人で昇降口へと向かう。


仕方なく、俺はユマの後を追いかけた。


相当腹部が痛むようで、時折立ち止まってその場にうずくまりながらも、ユナはかたくなに人で帰ろうとする。


なにかがおかしい。


校門を出たところでそう感じた。


この腹痛がボールが当たったことだけが原因ではないと、感づきはじめたのだ。


「なぁユナ。本当になにがあったんだよ?」


俺の問いかけにユナは答えない。


代わりに再びその場にうずくまってしまった。


「ユナ。無理するなって!」


声をかけたとき、ユナの足元に血が流れているのが見えた。


「え……?」


一瞬息をのみ、そして無理やりユナを立たせる。
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