穢れ払い
穢れ
翌日はよく晴れた日だった。


今日は叔父さんからの仕事は入っていないし、何もなければ真っすぐに帰れる日だ。


「アユカおはよー」


2年A組の教室へ入り、いつも通り元気な挨拶をする。


自分の席に座っていたアユカは一瞬ビクリと体を震わせて、それからいつもの笑顔を浮かべた。


「おはよ陽菜―! 今日も元気だねぇ」


そう言ってポニーテールを左右に揺らして近づいてくる。


その表情が心なしかひきつっているように見えた。


左の頬も微かに腫れているような気がする。


だけどあたしは気がつかないフリをして微笑み返す。


「昨日のテレビ見た? あれマジで面白かったよねぇ!」


いつもの会話をしながら、あたしはアユカの胸を確認した。


アユカの胸は、ほんの少しだけ、グレーに染まっていたのだった……。
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