穢れ払い
犯人がわからないことへと恐怖心はあっという間に俺の心を支配した。


俺はゴクリと唾をのみ込むと、自分のスマホでさきほどのサイトを表示させた。


なるべく内容を見ないようにしてそのまま教室へと向かう。


「おい雄大、何する気だよ!?」


「確かめてみるんだ」


「確かめるってなにを?」


朝日の質問に答える前に、2年A組の教室へ足を踏み入れていた。


中にいるのは見なれたメンバー。


いつもバカを言い合っている友人ばかりだ。


俺はスッと息を吸い込むと、そのメンバーの中に飛び込んでいった。


「雄大どこ行ってたんだよ」


「トランプするぞトランプ!」


いつも通りの笑顔。


いつも通りの声のトーン。


なにひとつ変わらない様子に一瞬安堵した。


やっぱりこいつらが犯人ってことはないんじゃないか。


大丈夫なんじゃないかと思ってしまう。
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