キミの香り ーDéjàvu デジャヴー 番外編
「最近、ひとりだね…」
初めてキミにかけた言葉
下校時の玄関だった
「え…」
「あー、ごめん
なんか…別に…気にしないで」
オレ、ストーカーみたいじゃない?
ずっと見てたみたいじゃん
見てたけど…
「うん
春休み中に
一緒に帰ってた友達に彼氏ができたから…
最近ひとりなんだ」
それも知ってたけど
「へー、そーなんだ…」
知らないふりをした
「一緒に、帰ろ!」
キミに言われた
「え?」
「一緒に帰ろーよ!
倉田(くらた)くんもひとりでしょ」
え
キミは
オレの名前と
オレがいつもひとりで帰ってるのを知ってた
名前は、まぁ同じクラスだから知ってるか…
「でも、帰る方向…違うよ…」
あ、それもストーカーみたい、オレ
なんで、知ってんの?
「うん、知ってるよ
クレープ食べ行こう!」
え
キミも
なんで、知ってんの?
「…クレープ?」
「うん、クレープ食べたい」
キミの笑顔に逆らえなかった