キミの香り ーDéjàvu デジャヴー 番外編

「みんな私たちのこと
付き合ってるみたいって言うけど
ただ、一緒に帰ってるだけなのにね」


学校帰りにキミが言った



「あー、うん…」


オレも少し
付き合ってるみたいって
思ってた


確かに、一緒に帰ってるだけ



「付き合うって…
朝起きたら、その人のことが気になってて
毎日LINEしたり
学校でも話してるのに
声が聞きたくて電話してみたり
授業中も気になって目で追ったり
一緒にいるとドキドキしたり
約束しなくても毎日一緒に帰って
その人といると楽しくて
寝る前にも
その人を思い出して…

手、繋ぎたいな…とか
キスしたいな…とか

そんなふうに相手のことを想うことだよね」


キミは言った



「うん…そーだね…」



「何個、当てはまってた?」



「え、なにが?」



「私が今言ったこと
倉田は
何個当てはまってた?」



ドキ…



「…」



答えられなかった

全部だったから…




ドキ…ドキ…


ドキ…





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