キミの香り ーDéjàvu デジャヴー 番外編
大学1年から2年になる時
オレは大学を辞めた
父が病気になって
やっていた喫茶店を閉めることになった
オレはそこを継ぎたかった
オレの両親はオレが中学の時に離婚してて
オレも弟も母さんと一緒に暮らしてた
オレは父さんの喫茶店に行くのが好きだった
栞ともよく行った
父さんと栞と3人でよく笑った
今思うと
そこに行くことが好きだったわけじゃなくて
父さんに会えるとこが
父さんと会えるその場所が好きだったと思う
父さんとの思い出の場所を
終わりにしたくなかった
栞もきっと喜んでくれるはず
栞は
父さんの作るナポリタンを
いつも美味しそうに食べてた
だからまた
オレが
栞に食べさせてあげたかった