183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
腰を下ろした真衣は、エナジードリンクをちびちびと飲む。

その様子を柊哉は、立てた膝に頬杖を突きながら眺めていた。

濡れた唇にそそられ、キスしてみたくなるが、手を出してはいけない妻なのだと思い留まる。

「なに? そんなに見られると飲みにくい」

「気にするな。真衣……今日はありがとな。母さん、喜んでいると思う。俺もお前の親に挨拶しにいってもいいぞ」

結婚は公にしないのが約束で、絹代にも口止めしてある。

今は多忙で結婚式を挙げられない。時機を見て家族に真衣を紹介し、公表もするから、それまで誰にも言わないでくれと頼んだのだ。

真衣も、勲以外の家族に教えていないと言っていた。

離婚時に親がしゃしゃり出てきて揉める心配がなく、柊哉にとってはその方がありがたい。

けれども今、真衣が望むなら挨拶しにいってもいいという気になっていた。

墓参りに付き合ってくれた、お礼のような気持ちで。

すると真衣が、迷惑そうに眉を寄せる。

「えー、やめてよ。面倒くさい」

「親と仲が悪いのか?」

「ううん、普通。お母さんとはね。お父さんは、どこでなにしてるのか知らない。離婚してるから」

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