183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
神主の祝詞とテープカットも済み、三十分ほどでセレモニーは終了となった。

列席者はぞろぞろと二階の大ホールへ移動する。

これから始まるのは立食パーティーで、大皿の豪華なビュッフェ料理が、クロスをかけた長テーブルにずらりと並んでいた。

アルコールも飲めるという。

「飲むか?」

「ううん。昼間から飲む気はしない。柊哉、飲みたいなら飲んで。帰りの運転は私がする」

柊哉の愛車で来たので、そのように提案したが、渋い顔をされた。

「免許取って何年?」

「八年。ゴールド免許だよ。車持ってないからほとんど運転したことないけど」

「俺の車を運転するなどと、よく言えたな。その度胸が恐ろしい」

結局ふたりともお茶のグラスを手に、料理を適当につまんで、ここでもまた何人かと挨拶を交わす。

終了予定時刻までまだ一時間ほどあるが、真衣はそろそろ愛想よく上品に振舞うことに疲れてきた。

それに気づいたのかどうかはわからないが、柊哉がいたずらめかした笑みを浮かべて真衣を誘った。

「ここを抜けて、館内を探索しよう」

「いいの?」

「一般客を入れるのは明日からだそうだ。バレなきゃいいだろ」

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